金融庁の通達により、それまで家賃保障を行っていた業者の殆どが一括借り上げへ変更となりました。家賃保障は、空室となった場合の保障、その性質から保険に該当すると言うものです。
家賃保障を行っていた業者は、自らが保険業を営むか、一括借り上げに変えるかの選択を迫られました。自らが保険業を営むとなると金融庁からかなり厳しい指導があるようで、経理を含め組織体制を整えるのが困難なことから、殆どの業者は一括借り上げを選択しました。
家賃保障と比較して、一括借り上げへの変更は業者にとって大きな危険を伴います。一括借り上げへの変更を余儀なくされた業者は、様々な策を考案しました。例えば、従来は「家賃を保障する」と記載していた文言を、『家賃を支払う』などです。
大手が行っている30年一括借り上げというのは、かなり多くの物件を一括借り上げにしていることから、一つ一つの物件が赤字となっても他の物件で赤字をまかなうことができます。また、借り上げ家賃の変更等で全体のバランスを取っていけるわけです。しかし、そう多くない物件を抱える業者にとっては、長期に渡り一括借り上げをできるかというと、結論は困難でしょう。そういった事情から、いままで継続していた家賃保証の『保障』という文言を『支払う』という文言に変えるだけで、いままでと同じように保障を継続できるようになったというわけです、
家賃保障から一括借り上げに変更する場合、いままでのオーナーが賃貸人ではなく、業者が賃貸人となります。ただ、賃貸人の変更は、賃借人に書面で伝えるだけでよく、多少のクレームがあったでしょうが、どうにか一括借り上げへの変更はできやとうです。
では、家賃の滞納保障は、保険業に該当するかという問題ですが、これは、保険業には該当しません。なぜなら、家賃滞納保障は、あくまで、保障とういう文言使用しながら、実は単なる家賃立替ですから保険業に該当しません。
家賃滞納保障は、基本的に滞納者に対して保障した額を回収する業務ですから、仮に回収不能だったとしても、売掛金の損失となだけです。空室家賃保障は、保障を支払っても、その回収業務はありません
空室家賃保障は、保証を支払っても、支払った保障をオーナーか回収することはなく、保険と同様です。このような状況から家賃保障は、保険業に該当し、家賃滞納保障は保険業に該当しないとなったわけです。